
2025年12月6日(土)に行われた福岡県立折尾高等学校「第33回定期演奏会」の様子をレポートします。

かつて女子校だった折尾高等学校は、1949(昭和24)年に八幡市立八幡商業高等学校とともに男子校だった福岡県立東筑高等学校に統合され男女共学となりました。その後、1956(昭和31)年に東筑高校から商業科・家庭科が分離し、現在の福岡県立折尾高等学校となっています。来年、2026(令和8)年には創立70周年を迎えます。
現在の折尾高校は、総合ビジネス科、ビジネス情報科、生活デザイン科の3つの学科があります。商業に関する学科があることから、「おりこうカレー」などの学校オリジナル商品の開発も行っています。会場のホワイエでは「おりこうカレー」の販売が行われていました。

そんな折尾高校の定期演奏会の会場はなかまハーモニーホール(中間市)。JR筑豊本線「中間」駅から徒歩約10分、筑豊電鉄「通谷」駅から徒歩約13分です。施設の目の前には西鉄バスの「中間ハーモニーホール」バス停があります。

JR中間駅から施設前を直進する道路は中間市のネーミングライツにより、「ピザクック通り」という珍しい名前がつけられています(ピザクックは福岡・佐賀の宅配ピザチェーンです)。

さて、定期演奏会は定刻通り14:15に開場し、15:00に開演しました。
プログラムは次のとおりです。
第Ⅰ部 吹奏楽ステージ
- 鷲の舞うところ(作曲:S.ライニキー)
- 光焔の鼓動(作曲:近藤礼隆)
- 春の猟犬(作曲:A.リード)
第Ⅱ部 シネマワールドステージ
- 20世紀フォックスファンファーレ(作曲:A.ニューマン)
- BACK TO THE FUTURE(作曲:A.シルヴェストリ)
- THE PINK PANTHER(作曲:H.マンシーニ)
- タイムパラドックス(作曲:Vaundy)
- I Want You Back(作曲:The Corporation)
- MY HEART WILL GO ON(作曲:J.ホーナー)
- さんぽ(作曲:久石譲)
- BACK TO THE FUTURE(作曲:A.シルヴェストリ)
第3部 ファイナルステージ
- パイレーツ・オブ・カリビアン(作曲:K.バデルト)
- 愛を込めて花束を(作曲:多保孝一)
- 歌劇「ポーギーとベス」セレクション(作曲:G.ガーシュウィン/編曲:建部知弘)
アンコール
- 倍倍FIGHT!(作曲:玉屋2060%)
第Ⅰ部 吹奏楽ステージ
演奏会の幕開けは『鷲の舞うところ』。躍動的なリズムが印象的で、コンサートのオープニングとして演奏されることが多い曲です。
華やかなオープニングを飾ったところでMCが登場。
MCは折尾高校放送部の3名がつとめます。また、演奏会パンフレットによると、ピンスポットは折尾高校生徒会がつとめているそうです。
折尾高校放送部の司会で進行する2曲目は『光焔の鼓動』。奈良や伊豆の「山焼き」という伝統行事にインスパイアされた作品です。山焼きの激しい様子、それが大きな力を伴って季節を動かすような場面が表現されています。

MCをはさんで3曲目は『春の猟犬』。春の息吹を感じながら、猟犬が草原を駆け回る様子を生き生きと描いた作品です。6/8拍子の軽快なリズムによる「急」と対比的な4/4拍子の美しいメロディの「緩」の「急-緩-急」の構成になっています。
以上、第Ⅰ部は約27分のステージでした。
第Ⅱ部 シネマワールドステージ
第Ⅱ部では奏者の衣装もがらりと変わり、黒いTシャツにジーンズというスタイルに。ステージ配置は扇形からビッグバンド形式になっています。
この第Ⅱ部は「映画」がテーマということで、オープニングは「No More 映画泥棒」のパロディ動画が映し出されました。プロジェクタは上手花道に設置してあり、ホリゾントに投影されています。
クオリティの高い映像が流れた後はスネアドラムが鳴り響き、誰もが一度は聴いたことがあるファンファーレが流れます。そう、「スター・ウォーズ」や「タイタニック」などで知られる20世紀フォックス(現:20世紀スタジオ)の映画の冒頭で流れる『20世紀フォックスファンファーレ』です。
映画が始まるワクワク感が演出されるなか、MCが登場。第Ⅱ部のMCは2人の吹奏楽部員がつとめます。2人のガイドで「シネマアドベンチャーツアー」が始まりました。映画の世界を音楽で巡る旅です。
この第Ⅱ部では、入場時に配られたサイリウム(ペンライト)を振って、お客さんも一緒に楽しむことができます。

シネマアドベンチャーツアーは自動車型のタイム・マシン「デロリアン」に乗ってタイムトラベルに出発します。ということで、『BACK TO THE FUTURE』の演奏。スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮をつとめた同名映画のテーマ曲です。1985年に初公開された「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は今年、40周年の節目を迎えました。
時を超える冒険を楽しんだところで、「俺の宝石がない!」という叫び声が。どうやら宝石泥棒が現れたようです。ということで次の曲は『THE PINK PANTHER』。「ピンクの豹」を第1作とするアメリカのコメディ映画シリーズのテーマ曲「ピンク・パンサーのテーマ」です。まさに宝石泥棒が抜き足差し足で歩くシーンの背景音楽として考えられた曲です。情景がぴったりと当てはまります。ジャジーなテナーサックスのソロもビシッと決まりました。テナーサックスのソロをつとめたのは2年生だったようです。
宝石泥棒を追いかけていたら辿り着いたのは日本の未来。みんな大好きなドラえもんの世界です。次の曲はVaundyの『タイムパラドックス』。2024年公開の「映画ドラえもん のび太の地球交響楽」の主題歌です。
次の映画は竹内涼真主演で教師と生徒の恋愛をコミカルに描いたラブコメディ「センセイ君主」。主題歌であるTWICEの『I Want You Back』が演奏されました。この曲では、TWICE役の7名の女子部員がダンスを披露。さらに竹内涼真役の男子生徒も一緒に踊ります。曲中でソロをつとめたのはアルトサックスの1年生とテナーサックスの3年生。ノリノリの曲でお客さんも手拍子で盛り上げます。
次の映画は「タイタニック」より、セリーヌ・ディオンが歌う主題歌『MY HEART WILL GO ON』。タイタニックの名シーン、ジャック(レオナルド・ディカプリオ)とローズ(ケイト・ウィンスレット)が船首で羽ばたくシルエット画像がホリゾントに映し出されています。曲はピッコロとオーボエのソロが呼応して美しいメロディーを奏でます。ソロをつとめたのはどちらも1年生だったようです。
さて、シネマアドベンチャーツアーの旅も終わりが近づいてきました。最後に辿り着いたのはどこか懐かしい日本の森。映画「となりのトトロ」の世界です。曲はエンディング主題歌の『さんぽ』。この曲中では客降り演出。4人の部員とトトロ役の部員が客席を歩き回り、演奏を聴きに来てくれた子どもたちにお菓子のプレゼントです。客席を巻き込み会場が一体となりました。なお、曲中のソロはトランペットの3年生がつとめました。
シネマアドベンチャーツアーはまだ未来に残ったまま。もう一度デロリアンに乗って現代に戻ります。ということで、再び『BACK TO THE FUTURE』の演奏。無事にシネマアドベンチャーツアーもエンドロールを迎えました。
以上、第Ⅱ部は約27分のステージでした。
第Ⅲ部 ファイナルステージ
第Ⅲ部は再び衣装が変わり、白シャツに黒パンツというスタイルに。MCは再び折尾高校放送部がつとめます。ステージ配置はベタには何も置かず、コントラバスを除き打楽器も含めて奏者全員がひな壇に上がるビッグバンド形式。次の曲ではカラーガードの演技が披露されるためベタに広い空間が確保されました。
カラーガードの演技が披露される第Ⅲ部の1曲目は『パイレーツ・オブ・カリビアン』。同映画のテーマ曲や劇中音楽がメドレーとなっています。カラーガード隊は赤いバンダナを頭に巻いて海賊を想起させる衣装で登場。華麗で迫力のあるフラッグやバトンの演技を披露しました。カラーガードのメンバーは3年生4名、2年生4名、1年生3名の計11名。この定期演奏会で披露するために練習を積み重ねてきました。
演奏後、カラーガードの2名にインタビューが行われました。定期演奏会でしか披露しないカラーガード。短い練習期間でありながら一生懸命取り組んだ成果が出ていました。
続いて、前部長(3年生)と現部長(2年生)にインタビュー。3年間の思い出や定期演奏会を迎えるまでの思い出が話されました。
ステージの配置はオーソドックスな扇形のオケスタイルに。ベタに何もない状態から椅子や譜面台を並べ直すので大転換が行われています。
少し時間を要して次の曲の準備ができました。次の曲に行く前に、ホリゾントに映像が流れます。Official髭男dismの『ラストソング』をBGMにして、折尾高校のこれまでの活動を振り返るスライドショー。思い出の写真や映像が次々と流れていきます。
感傷的な雰囲気になったところで、次の曲はSuperflyの『愛を込めて花束を』。この定期演奏会には3年生も参加しており、この演奏会をもって引退となります。この曲では3年生それぞれのソロパートがあり、有終の美を飾るパフォーマンスを披露します。ホリゾントには3年生からのメッセージ動画が流れています。曲の終盤では、ステージ前方に3年生15名全員が1列に並びラストを迎えます。そして3年間の感謝を込めて、3年生から指揮者の先生に花束が贈られました。
感動的なムードの中、次の曲は『歌劇「ポーギーとベス」セレクション』。アメリカ南部の黒人社会を舞台に、貧しさや差別の中で生きる人々の姿と、ポーギーとベスの切ない愛を描いたオペラ。黒人霊歌やジャズの要素をクラシックと巧みに融合した作品です。2025年度の第70回北九州吹奏楽コンクールで折尾高校が自由曲として演奏し、2年連続となる金賞を受賞した曲です。今年の折尾高校の集大成で演奏会のラストを迎えます。
盛大な拍手に包まれ、アンコールへ。
アンコールの曲に行く前に、指揮者の先生からお知らせが2つ。
1つ目のお知らせは、この演奏会の1週間後、2025年12月13日・14日にユメニティのおがたで行われる「第3回BOTA山フェア」について。東海大福岡高校や福岡第一高校、九産大九州高校、飯塚高校、大牟田高校、活水高校、嘉穂高校といった九州を代表するバンドが集うこの演奏会に折尾高校も出演することになっています。この演奏会には3年生も出演するそうです。
2つ目のお知らせは来年度の定期演奏会について。例年なかまハーモニーホールで定期演奏会を行ってきましたが、来年は改修工事のため同会場が使えません。ということで来年は黒崎ひびしんホールで場所を変えて実施します。福岡県立折尾高等学校の学校創立70周年記念、さらに吹奏楽部創部65周年記念となる「第34回定期演奏会」は2026年12月5日(土)に黒崎ひびしんホールで開催予定です。
さて、アンコールは「倍の倍の fight 倍倍 fight by CANDY TUNE」という掛け声とともにCANDY TUNEの『倍倍FIGHT!』。TikTokを中心にSNSで大ヒットした同曲。7人のダンスメンバーとともに最後の最後まで盛り上げてフィニッシュです。
以上、第Ⅲ部からアンコールまで約42分のステージ。
演奏会全体では約1時間58分のプログラムでした。
福岡県立折尾高等学校吹奏楽部のみなさん、素敵な演奏会をありがとうございました。
(参考文献)
- 折尾高校「第33回定期演奏会」パンフレット
- 福岡県立折尾高等学校
- ウインズスコア
- フォスターミュージック
- ブレーン
- 北九州吹奏楽連盟
パンフレット
定期演奏会のパンフレットは、演目の紹介はもちろんのこと、その学校の個性があふれています。
今回の福岡県立折尾高等学校「第33回定期演奏会」のパンフレットの内容はこちら!

- A4サイズ
- 中綴じ24ページ
- 表紙カラー/本文モノクロ
| 表紙 | 演奏会ポスターデザイン |
| P.1 | ご挨拶(校長・実行委員長・部長) |
| P.2 | 顧問及び司会者紹介 |
| P.3 | プログラム |
| P.4 | 曲紹介 |
| P.5 | メンバーリスト |
| P.6 | カラーガード紹介 |
| P.7 | パート紹介(フルート・オーボエ、サックス) |
| P.8 | パート紹介(クラリネット) |
| P.9 | パート紹介(テューバ・コントラバス、ホルン) |
| P.10 | パート紹介(トランペット、トロンボーン) |
| P.11 | パート紹介(ユーフォニアム・ファゴット、パーカッション) |
| P.12 | 思い出ページ(体育大会、ホール練習、吹奏楽コンクール) |
| P.13 | 折高ブラスの1年間 |
| P.14 | 折尾高校吹奏楽部インスタグラム案内 |
| P.15-P.22 | 協賛広告 |
| 裏表紙 | 校章 |

