
2025年4月29日(火祝)に行われた福岡県立福岡中央高等学校「第35回定期演奏会」の様子をレポートします。

定期演奏会の会場は福岡市立南市民センター(福岡市)の文化ホール。西鉄天神大牟田線「大橋」駅から徒歩約15分です。会場付近に西鉄バスの「南市民センター前」バス停もあります。

開場前には文化ホール前から南体育館の方に向かって行列ができていました。定刻の13:30に開場しました。
開場から約10分後、ロビーコンサートが行われました。曲は「さくらのうた」(作曲:福田洋介)。バリ・テューバによるアンサンブルの演奏です。
そして、14:00に開演!プログラムは次のとおりです。
第1部 クラシックステージ
- 南風のマーチ(作曲:渡口公康)
- 天国の島(作曲:佐藤博昭)
- ミュージカル「レ・ミゼラブル」より(作曲:C.M.シェーンベルク/編曲:福島弘和)
第2部 ポップスステージ
- 吹奏楽による「ドラゴンクエストⅠ」より『序曲』(作曲:すぎやまこういち/編曲:真島俊夫)
- 勇者/YOASOBI
- I wonder/Da-iCE
- 喧嘩上等/氣志團
- かわいいだけじゃだめですか?/CUTIE STREET
- 僕らまた/SG
- 影武者/2CELLOS
- 勇気100% Brass Rock(編曲:野崎雅久)
- ディープ・パープル・メドレー(編曲:佐橋俊彦)
第3部 コンクールステージ
- マーチ「メモリーズ・リフレイン」(作曲:伊藤士恩)
- 海峡の護り〜吹奏楽のために〜(作曲:片岡寛晶)
アンコール
- ヤングマン【Y.M.C.A.】/西城秀樹
第1部 クラシックステージ
1曲目は、2011年度吹奏楽コンクール課題曲Ⅳの「南風のマーチ」。親しみやすいメロディーが人気の課題曲マーチです。
1曲目が終わるとMCが登場。MCは、福岡中央高校の放送部2名が担当します。
2曲目は、2011年度吹奏楽コンクール課題曲Ⅱの「天国の島」。日本テレビ系「ザ!鉄腕!DASH!!」(DASH島)のテーマ曲として使われているお馴染みの曲です。
演奏後に部長挨拶。「感謝、気配り、笑顔、奏華」のスローガンの元に活動しているFCBB(Fukuoka Chuo Brass Band:福岡中央ブラスバンド)の紹介とともに、定演開催に関する謝辞が述べられました。
そして3曲目は、「ミュージカル『レ・ミゼラブル』より」。同曲名で森田一浩編曲によるものも有名ですが、ここで演奏されたのは福島弘和アレンジ。大人気ミュージカル「レ・ミゼラブル」の劇中曲のうち「プロローグ」〜「一日の終りに」〜「オン・マイ・オウン」〜「心は愛に溢れて」〜「最後の戦い」〜「ワン・デイ・モア」が演奏されます。この曲は福岡中央高校吹奏楽部のOB・OGとの合同演奏。大編成で圧巻の演奏を披露してくれました。指揮は、福岡中央高校を卒業し、平成音楽大学を経て福岡中央ウインドシンフォニー指揮者として活躍している野田英佑氏。ちなみに、同じ時期(2025年4月6日〜4月30日)に博多座ではミュージカル「レ・ミゼラブル」の公演が行われていましので、とてもタイムリーな選曲です。
以上、第Ⅰ部は約35分のステージでした。
休憩中にはステージ上のプロジェクタからホリゾントに特別映像が投映されていました。メンバー紹介やこまでの軌跡、練習風景などがまとめられた短い動画です。福岡中央高校吹奏楽部の日頃の取り組みがわかります。
第2部 ポップスステージ
第Ⅱ部が始まる前に定期演奏会実行委員長の挨拶。今回の定期演奏会のテーマは「journey of music」。第Ⅱ部で演奏する「ドラゴンクエスト」の壮大な旅と音楽をかけ合わせたテーマになっています。このほか、演奏会にかける思いなどが語られました。
そして、「ここは魔王に支配された世界…」という影アナウンスが入り、第Ⅱ部幕開けの演奏へ。曲は、吹奏楽による「ドラゴンクエストⅠ」より『序曲』。大人気RPGゲーム「ドラゴンクエスト」の馴染み深い名曲が、真島俊夫アレンジの壮大な吹奏楽サウンドで奏でられます。
演奏が終わると演劇パートへ。オープニング曲のとおり、「ドラゴンクエスト」の世界観を表現します。魔王を倒すために旅に出た勇者。だけど1人では不安な様子…。そんなとき、魔法の練習をしている魔法使いに出会います。魔法をうまく使えない魔法使いに対して、勇者は「音楽の力でなんとかなるかもしれない」と言います。
「魔法使いといえばあの曲」という勇者の合図で始まった2曲目はYOASOBIの「勇者」。曲名と魔法使いが結びつかないように見えますが、この曲はテレビアニメ「葬送のフリーレン」のテーマ曲。このアニメの主人公・フリーレンは魔法使いです。ということで、魔法使いに関連する選曲ということでしょう。
音楽の力を通じて無事に魔法を成功させた魔法使い。魔法によって出現した音楽の妖精が持っていた謎のスイッチを押すと…。次の曲が始まります。
3曲目はDa-iCEの「I wonder」。ドラマ「くるり〜誰が私と恋をした?〜」の主題歌。2024年の「第66回日本レコード大賞」において優秀作品賞に選出された曲です。この曲では5人のダンサーがSNS上でも話題となっているダンスを披露してくれました。
再び劇パート。1人で旅をするのが不安な勇者は魔法使いを仲間に誘います。しかし魔法使いも、「こんな勇者と2人旅は不安」だと言います。ということで、2人は町で仲間探しをすることに。2人が訪れた“チュウオウの町”で「この町1番の怪力」と豪語する武闘家と出会います。喧嘩なら負けない、喧嘩上等と言う武闘家。それに対して勇者は逃げ出してしまいます…。
そこで始まった4曲目は氣志團の「喧嘩上等」。ドラマ「極悪がんぼ」の主題歌です。演奏中にステージ前面では、「逃げる勇者と追いかける武闘家」のシーンが表現されており、曲中もストーリーが進行していることがわかります。1曲終える頃には、勇者と武闘家はすっかり意気投合し、友情が芽生えていました。
勇者・魔法使い・武闘家の3人で旅をすることになった一行。やってきた“テイエン広場”では、何やらアイドルのイベントが行われているようで…。
5曲目はCUTIE STREETの「かわいいだけじゃだめですか?」。5人のダンサーによるダンスや、演奏者によるパフォーマンス。アイドルさながらに客席も巻き込んだパフォーマンスで会場を盛り上げます。
がっつり“アイドルオタク”だった勇者と武闘家。そんな2人に対して自分たちの目標は「魔王を倒すこと」だとクギを刺す魔法使い。旅が続いていきます。
ここで6曲目の演奏へ。曲は「僕らまた」。この曲は、日韓ミックスのシンガーソングライター・SGの楽曲で、“令和の卒業ソング”として注目を浴びています。同曲の「吹奏楽ver.」は「カロリーメイト」のCM曲にも起用され、SG本人と花咲徳栄高等学校吹奏楽部との共演も話題となりました。この曲中でも劇のストーリーが進行しており、伝説の剣を地面から引っこ抜くシーンなどが表現されていました。
魔王の城にやってきた一行。武闘家による“だだずべり”の一発ギャグもあって緊張感も高まっていきます。そして次の曲へ。
7曲目は「影武者」。2本のチェロを奏でるインストゥルメンタル・デュオ2CELLOSの楽曲です。12年前に携帯電話会社のCM曲として起用されていました。魔法使いを演じていた部員が、バスクラリネットのソロをクールに奏でます。
さて、勇者の一撃で無事に魔王を倒せたかと思ったが実はそれは魔王の“影武者”。本物の魔王役は別に居て…。その魔王役はなんと指揮者の先生です。生徒の劇に指揮者の先生が絡んできたので会場は笑いに包まれます。なお、動きは先生が演じていますが、声は影アナウンスによって当てられています。
魔王に返り討ちにされてしまい、仲間を失ってしまった勇者。棺を引きずりながら教会へとやってきます(棺を引きずる描写はドラゴンクエストのゲーム内で実在するシーンです)。自信をなくす勇者に対して、教会の天の声が勇者の勇気を奮い立たせます。
そこで8曲目「勇気100% Brass Rock」。アニメ「忍たま乱太郎」のテーマソングとして長く愛される光GENJIの「勇気100%」がロック調にアレンジされています。
教会で蘇生した魔法使いと武闘家。勇者と再び魔王を倒しに行きます。そして無事に魔王の討伐に成功。ポップスステージ最後の曲へとうつります。
ポップスステージ最後の曲は「ディープ・パープル・メドレー」。イギリスのロックバンド「ディープ・パープル」の代表曲がメドレーとなったもので、「バーン」〜「ハイウェイ・スター」〜「スモーク・オン・ザ・ウォーター」の3曲で構成されています。演奏者によるノリノリのパフォーマンスで会場も盛り上がりました。
以上、第Ⅱ部は約45分のステージでした。
ここの休憩中にもステージ上のプロジェクタからホリゾントに特別映像が投映されていました。これまでの福岡中央高校吹奏楽部の取り組みなどが紹介されていました。
第3部 コンクールステージ
第Ⅲ部は「コンクールステージ」として、吹奏楽コンクールの課題曲と自由曲が演奏されます。
今年、福岡中央高校が選んだ課題曲は、Ⅲ番「マーチ『メモリーズ・リフレイン』」。ゲーム音楽やポピュラー音楽の要素も取り入れられた、課題曲マーチです。同じフレーズがリフレイン(繰り返し現れる)していくのが印象的です。
自由曲として選んだのは、「海峡の護り〜吹奏楽のために」。海上自衛隊横須賀音楽隊の委嘱作品です。「海、平和の護り」をテーマとするこの曲は喜怒哀楽がはっきりしており、様々な表情が現れます。
4月末の演奏会でしたので、吹奏楽コンクールまであと約3ヶ月。8月初めの支部大会に向けて、これからますます演奏に磨きをかけていくことでしょう。なお、福岡中央高校の近年の成績は、2021年銀賞、2022年金賞、2023年金賞、2024年銀賞。いずれも県大会への推薦なし。今年はどんな成績になるのか楽しみです。
さて、演奏会の方は課題曲と自由曲の演奏を終え、指揮者の先生へ花束が贈られるとアンコールとなります。
アンコールは「ヤングマン【Y.M.C.A.】」。70年代後半に人気を博したアメリカのグループ・Village Peopleのヒット曲を西城秀樹がカバーしたことで日本でも幅広い世代に愛される楽曲となりました。この曲の中盤では、4月に入部したばかりの1年生がステージ下に集合し、ダンスで参加。部員全員・総勢52名でフィニッシュを迎えました。
以上、第Ⅲ部からアンコールまで約20分のステージ。
演奏会全体では約2時間10分のプログラムでした。
福岡県立福岡中央高等学校吹奏楽部のみなさん、楽しい演奏会をありがとうございました。
(参考文献)
- 福岡県立福岡中央高等学校「第35回定期演奏会」パンフレット
- フォスターミュージック
- ウインズスコア
- ブレーンミュージック
- 福岡吹奏楽連盟
パンフレット
定期演奏会のパンフレットは、演目の紹介はもちろんのこと、その学校の個性があふれています。
今回の福岡県立福岡中央高等学校「第35回定期演奏会」のパンフレットの内容はこちら!

- A5サイズ
- 中綴じ8ページ
- モノクロ
| 表紙(P.1) | 演奏会ポスターデザイン |
| P.2 | 校長挨拶、客演指揮者紹介、顧問紹介 |
| P.3 | プログラム |
| P.4 | 曲紹介 |
| P.5 | パート紹介(フルート&オーボエ、クラリネット、サクソフォン) |
| P.6 | パート紹介(ホルン、トランペット、トロンボーン) |
| P.7 | パート紹介(ユーフォニアム&テューバ&コントラバス、パーカッション)、アンサンブルコンテスト結果報告 |
| 裏表紙(P.8) | 出演者名簿 |

